東北観光博外国語版HP 誤訳だらけ 観光庁平謝り
河北新報 4月14日(土)6時10分配信
東日本大震災の復興支援を目的に開催中の東北観光博の外国語版ホームページ(HP)に多数の翻訳ミスが見つかり、13日、修正作業のため閉鎖された。仙台市の旧伊達邸鍾景閣(しょうけいかく)はローマ字で「キュウイタツテイ*ケイカク」、秋田県のなまはげは中国語で「はげ頭病」を意味する表現になっていた。実行委員会事務局としてHPを開設した観光庁は「外国人観光客を呼び戻すためのHPが、逆に足を引っ張ってしまい申し訳ない」と平謝りしている。
HPは観光博の本格開幕前の1月30日に開設された。日本語版のほか、英語版、韓国語版、中国語版があり、東北各地の観光地やイベントなどを紹介している。
観光庁によると、ミスは自動翻訳システムの誤訳が原因で、今月6日に秋田県の指摘で発覚した。英語版ではあきた千秋公園桜まつり(秋田市)の「あきた」が「飽きた」と誤訳された。「はげ頭病」の表現は、ナマハゲ体験講座の翻訳であった。
今のところ翻訳ミスが何カ所あるかは不明で、秋田県は「県内関係だけで30カ所以上」、宮城県は「多すぎて探しきれない」と話しており、相当数に上るとみられる。
翻訳業務は、HP運営を担う業者が東京都内の専門業者に再委託した。日本語版を作成すると、自動翻訳される仕組みになっていて、東北特有の固有名詞が辞書機能に無かったのが原因だという。
外国語版のHPには「機械翻訳のため、100%正確でない」と断り書きを添えていたが、観光庁も業者も翻訳結果を確認していなかった。
観光庁観光地域振興課は「自動翻訳の誤りを見つけるボランティアを募り、総力戦で翻訳ミスを修正し、4月下旬には外国語版を再開したい」と話している。
東北観光博は3月18日に本格的に開幕。東北全体を28の観光ゾーンに分け、来年3月末までの期間中、各地でさまざまなイベントを開く。