Bài tập đọc hiểu tiếng Nhật trình độ N1 - 2010/11/03

penguin20110

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私は手塚治虫の天才性は、何よりもその「さかさまのストーリーテリング(注・物語を語ること)」にあると考えている。

「生きることの意味は何か?」という問いに答えるのが難しいのは、答えが無数にあって収拾がつかないからである。手塚はその問いに答えるために、「死ぬのを禁じられた人間たち」を主人公とする『火の烏』を描いた。人間が想像しうる最悪の事態とは、すべてのものが移ろい消え去る中で、おのれひとりが「不死」にとどまることである。手塚治虫は『火の鳥』の中でその「死ねない恐怖」を執拗に描いた。そうやって手塚が導き出した結論は、涼しく平明なものである。それは②「人間は死ねるから幸福なのだ」ということである。

人間は限られた時間に封じ込められ、一度壊れたら二度と元に戻ることがなく、一度失ったら二度と出会えないものに囲まれている。私たちがおのれの「生命」をいとおしむのは、それがこの瞬間も一秒一秒失われていることを私たちが熟知しているからである。この「すべては消滅し、私たちは必ず死ぬ」という事実そのものが、実は人間の幸福を基礎づけているのである。手塚が私たちに教えようとしたのは、そのことである。
(内田樹「街場の現代思想」より)​

問1 ①「私は手塚治虫の天才性は、何よりもその「さかさまのストーリーテリング(注:物語を語ること)」にある」とあるが、どこがさかさまなのか。
1 奔放な想像力を発揮して、普通の人の考えない世界を描くこと。
2 普通の人が価値ある考えることを完全に否定したストーリーを描くこと。
3 「生きる意味」を問う時、人が死ねない場合を想定したストーリーを描くこと。
4 常に物事は移ろい消え去る宿命であるという視点からストーリーを描くこと。
問2 ②「人間は死ねるから幸福なのだ」とは、どういうことか。
1 「死ねない恐怖」は「死の恐怖」より大きいから。
2 死がなければ生はなく、不幸がなければ幸せもないから。
3 幸福だったかどうかは、死の直前になってはじめてわかるものだから。
4 限りある命だからこそ、命の輝きもあり、生の喜びもあるものだから。
 
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