kamikaze
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あんまりな名前となりすましの日本語もどき
南あわじ市市市。キーボードのミスパンチではない。兵庫県の淡路島にある、実在の地名だ。「南あわじ市(し)市(いち)市(いち)」と読むそうだ。2005年に町村合併があり、旧三原町にあった大字の市と小字の市がそのまま使われることになって、市が三つ並ぶ景気のいい地名が生まれた。その辺りのいきさつは「47NEWS」に参加している神戸新聞の記事に詳しい。
市が三つ並ぶ地名は他にも滋賀県八日市市市辺町、三重県四日市市市場町があるが、「市市市」とそれぞれ独立した市が並ぶのは全国でもここだけ、ということだ。実在の「南あわじ市市市」は、地域内にある市小学校グランウンドの住所だそうだ。
藤井青銅という人の書いた「あんまりな名前」(扶桑社刊)には、何の因果でつけられたのか、あんまりな名前が満載されている。
植物にはキュウリの仲間に「さつきみどり」があり、小松菜の仲間に「小松みどり」があり、大根の仲間に「おしん」がある。キノコでは本家の「マツタケ」に対して「バカマツタケ」「ニセマツタケ」「マツタケモドキ」があり、全部食用になるという。
マツタケに限らず動植物の世界では、よく似たものに「ニセ」「モドキ」「ダマシ」をつけることが多いようだ。動物の「フクロモモンガ」には「フクロモモンガダマシ」と「ニセフクロモモンガ」がおり、「ダマシ」は別名「フクロモモンガモドキ」とも呼ばれているそうだ。
藤井さんの、あんまりな名前の収集にかけた情熱に敬意を表したい。
これとは別に東短リサーチ株式会社が顧客向けに発行している「加藤出ウィークリーレポート」によると、中国の加工食品には日本語モドキのあんまりな名前をつけられているものがある、ということだ。
上海のコンビニで売られている、いちごグミをミルクでコーティングしたお菓子がそれ。もちろん中国人向けの商品だが、パッケージの表側はすべてひらがなとカタカナで日本語らしく商品名や説明文が表示されているのだそうだ。
「いさが・クリユレ」というのがその商品名。「いさが」というのは「いちご」の誤植らしい、とレポートの筆者である加藤さんは書いている。それ以外はまったく判読不可能。パッケージには説明文らしい文章があり「クリトてあとしぶせねまむ包がまねす」とある。全然っ、意味不明。さらに「北海道の牛から、自然香りミルクの香り、ゆっくりとので、ミルクの領域に乳香こと」とも印刷されている。中国では北海道というのはプラスイメージのようだ。でも、原産地表示は香港になっているのだそうだ。
中国では毒入りミルク事件などの影響で消費者が食品の安全性に敏感になっている。東京電力の福島原発事故が起きた後も、日本の食品の安全性に対する信頼は揺らいでいないようだ。
それにしてもどう考えたらよいのか。日本企業になりすまして、日本製品らしいパッケージに日本語モドキを印刷すればそれらしくみせかけられる、ということなのだろう。
あえて好意的に解釈するならば、一刻も早く店頭に並べることを重視して、ネイティブ・チェックのコストと時間を省いた、「スピード感あふれる経営判断を行っていると見なせなくもない」と加藤さんは書いている。
それにしても、あんまりですね。
http://www.47news.jp/47topics/premium/e/222150.php
南あわじ市市市。キーボードのミスパンチではない。兵庫県の淡路島にある、実在の地名だ。「南あわじ市(し)市(いち)市(いち)」と読むそうだ。2005年に町村合併があり、旧三原町にあった大字の市と小字の市がそのまま使われることになって、市が三つ並ぶ景気のいい地名が生まれた。その辺りのいきさつは「47NEWS」に参加している神戸新聞の記事に詳しい。
市が三つ並ぶ地名は他にも滋賀県八日市市市辺町、三重県四日市市市場町があるが、「市市市」とそれぞれ独立した市が並ぶのは全国でもここだけ、ということだ。実在の「南あわじ市市市」は、地域内にある市小学校グランウンドの住所だそうだ。
藤井青銅という人の書いた「あんまりな名前」(扶桑社刊)には、何の因果でつけられたのか、あんまりな名前が満載されている。
植物にはキュウリの仲間に「さつきみどり」があり、小松菜の仲間に「小松みどり」があり、大根の仲間に「おしん」がある。キノコでは本家の「マツタケ」に対して「バカマツタケ」「ニセマツタケ」「マツタケモドキ」があり、全部食用になるという。
マツタケに限らず動植物の世界では、よく似たものに「ニセ」「モドキ」「ダマシ」をつけることが多いようだ。動物の「フクロモモンガ」には「フクロモモンガダマシ」と「ニセフクロモモンガ」がおり、「ダマシ」は別名「フクロモモンガモドキ」とも呼ばれているそうだ。
藤井さんの、あんまりな名前の収集にかけた情熱に敬意を表したい。
これとは別に東短リサーチ株式会社が顧客向けに発行している「加藤出ウィークリーレポート」によると、中国の加工食品には日本語モドキのあんまりな名前をつけられているものがある、ということだ。
上海のコンビニで売られている、いちごグミをミルクでコーティングしたお菓子がそれ。もちろん中国人向けの商品だが、パッケージの表側はすべてひらがなとカタカナで日本語らしく商品名や説明文が表示されているのだそうだ。
「いさが・クリユレ」というのがその商品名。「いさが」というのは「いちご」の誤植らしい、とレポートの筆者である加藤さんは書いている。それ以外はまったく判読不可能。パッケージには説明文らしい文章があり「クリトてあとしぶせねまむ包がまねす」とある。全然っ、意味不明。さらに「北海道の牛から、自然香りミルクの香り、ゆっくりとので、ミルクの領域に乳香こと」とも印刷されている。中国では北海道というのはプラスイメージのようだ。でも、原産地表示は香港になっているのだそうだ。
中国では毒入りミルク事件などの影響で消費者が食品の安全性に敏感になっている。東京電力の福島原発事故が起きた後も、日本の食品の安全性に対する信頼は揺らいでいないようだ。
それにしてもどう考えたらよいのか。日本企業になりすまして、日本製品らしいパッケージに日本語モドキを印刷すればそれらしくみせかけられる、ということなのだろう。
あえて好意的に解釈するならば、一刻も早く店頭に並べることを重視して、ネイティブ・チェックのコストと時間を省いた、「スピード感あふれる経営判断を行っていると見なせなくもない」と加藤さんは書いている。
それにしても、あんまりですね。
http://www.47news.jp/47topics/premium/e/222150.php